一般社団法人JAD は「日本の農業を元気に」を合言葉に、今日、日本農業が直面している「ゼロカーボン農業の推進」「若い人の農業継承者・新規就農者の育成・増加」「ベンチャーキャピタル等の農業への資金投入の強化」「食料安全保障の確立」などの諸課題の解決に向け、各会員が、多くの関係機関のご協力を得ながら、知恵を絞り、できる限り貢献することを目指して設立された非営利団体です。
日本農業の現状は、米作を中心にしつつ農作物の販売価格低迷、肥料価格高騰、燃料価格高騰などで「農業は儲からない」という風潮があり、利益向上がのぞめないことによって、農業が産業として成⻑していかない構造的問題があります。特に、現在の農業従事者は高齢化が顕著で、その後継者不足が深刻な問題 となっております。
さらに後継者に限らず、若い世代の新規就農者の数も基本的に期待し得ない状況です。
農業後継者・新規就農者は、省力化にトラクター、高収益を生み出す高度ハウス栽培施設、クリーンエネルギー、ICT のような設備投資による「農業ビジネス」に参入したくても、農業へのベンチャーキャピタル等の資金を呼び込む仕組みが無く、資金不足が原因で若手の農業継承者、新規就農者希望者が育成できず、「農業の事業継承」をする考え方と仕組みがないことも衰退する原因であり解決すべき課題です。それらにより農業生産者が減少して、日本の食料自給率が低下、食料を海外からの輸入に頼ることで、紛争や地政学的リスクにさらされ「日本の食料安全保障」が確保できないことはもっとも重要な課題であります。
ところで地球温暖化防止対策は、今やわが国のみならず、世界が全人類が挑戦しなければならない極めて大切な目標となっています。
2015年国連総会で「持続可能な開発のための2030アジェンダ」として「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択され、2030年までに達成すべき17のゴールが掲げられました。その13番目の目標として「気候変動に具体的な対策」が掲げられています。また、2015年のCOP21でパリ協定が採択され「世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて2度より十分低く保ち、1.5 度以内に抑える努力をする」という世界共通の⻑期目標が定められました。
2020年10月26日菅総理大臣(当時)は、所信表明演説において「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの拠出を全体としてゼロにする。2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実施を目指す」ことを宣言しました。
この様に、日本の農業をとりまく諸環境の変化に加えて、地球温暖化防止対策として、CO2 の排出削減が、農業分野においても、改善しなければならない待ったなしの課題です。まさに「ゼロカーボン農業の推進」です。JADはこれらの課題を解決するため、先進的な研究・開発・啓蒙活動を行なっています。JADと会員企業連携で開発した「プラ油化+減圧蒸留システム」は小型で省スペースに設置でき、都市部でも農業地域でも「クリーンディーゼル燃料」が生産可能となりました。 この燃料は、温度・湿度・光量・CO2 濃度等を IT 技術で制御する「高度ハウス施設栽培」エネルギーに使用され、さらにこの燃料で作られた農産物は CO2を削減したブランド「ゼロカーボン農産物」として各会員から販売することとしています。
この燃料の原料は各家庭などから出るプラスチックごみです。
各地方自治体はじめ多くの関係団体・機関のご協力を得て「都市プラごみ」を資源として効率的に収集し、持続可能なクリーンディーゼル燃料に転換することを目指しています。私共 JADは「ゼロカーボン農業の推進」活動を大きな柱の一つとして「日本農業を元気に」の目標達成に向け努力してまいる所存です。
多くの方々の当社団法人の活動に関するご理解とご協力を心からお願い申し上げご挨拶といたします。
2023年4月吉日
一般社団法人 JAD
代表理事